
まとまった金額のお買い物やキャッシュレス決済のひとつとしてもクレジットカードは便利ですよね。
でも、クレジットカードの利用には手数料がかかるのではないかと心配になる方も多いと思います。
そこでこの記事では、クレジットカードの利用者側と加盟店側の両方から、どのような場面で手数料が発生するのかを解説します。
これを読めば、クレジットカードの手数料についてよくわかりますよ!
Contents
【カード利用者側】いくらかかる?クレジットカードの手数料をケース別にチェックしておこう
まずは、利用者側のクレジットカードの手数料がかかるケースについてです。
それぞれのケースで手数料がいくらくらいかかるかも紹介していくので、早速チェックしていきましょう!
1回払い、2回払い、ボーナス払いは手数料がかからない
クレジットカード決済をしても、1回払い、2回払い、ボーナス払いを選ぶと手数料はかかりません。手数料をかけないようにするには、これらの支払い方法を選択しましょう。
また、2回払いでは、利用額を2カ月に分けて支払うことができます。ひと月で支払うことが難しい場合に便利な方法です。
ボーナス払いでは、年に2回のボーナス月にまとめて支払うことができます。このボーナス月はクレジットカード会社によって多少異なりますが、夏の8月と冬の1月に設定されていることが多いです。
そのため、大きなお買い物をしたときや支払いが厳しい場合などに2回払いやボーナス払いを選ぶと、手数料がかからず支払い額を調整できて負担が減ります。
ただし、公共料金や税金などをクレジットカード決済にする場合、1回払いしか選択できないこともあるのでご注意ください。
3回以上の分割払い
支払い回数 | 手数料 | 支払い合計額 |
---|---|---|
3回 | 2,327円 | 102,327円 |
6回 | 4,236円 | 104,236円 |
12回 | 8,122円 | 108,122円 |
18回 | 12,104円 | 112,104円 |
24回 | 16,178円 | 116,178円 |
3回以上の分割払いでは、クレジットカードの手数料がかかります。
上の表からもわかるように、分割の回数が増えれば増えるほど、手数料の金額が大きくなっていきます。月々の支払い額は少なくても、合計すると思っているよりも支払うことになりかねません。
そのため、3回以上の回数を選ぶときには、できるだけ少ない支払い回数にすると手数料が少なくて済むのでおすすめです。
月々定額のリボ払い
月々の支払い元本 | 手数料 | 支払い合計額 | 支払い回数 |
---|---|---|---|
30,000円 | 2,750円 | 102,750円 | 4回 |
20,000円 | 3,750円 | 103,750円 | 5回 |
10,000円 | 6,875円 | 106,875円 | 10回 |
5,000円 | 13,120円 | 113,120円 | 20回 |
3,000円 | 21,454円 | 121,454円 | 34回 |
リボ払い(リボルビング払い)では、クレジットカードの手数料がかかります。
先に支払い回数を決める分割払いに対し、月々の返済額(元本)を決めて支払うのがリボ払いです。設定した返済額(元本)に手数料を加えた金額を支払っていくことになります。
ひと月の支払い額を数千円からでも設定できることが多いため、負担が少なくて済みますが。しかし、上の表にもあるように月々の支払い額を減らすと手数料と支払い回数がどんどん増えていくので注意が必要です。
また、リボ払いの手数料は支払い残高に対してかかっていくため、初回が一番手数料が大きく、回を追うごとに手数料は減っていきます。
支払い日を超えてしまったときに発生する遅延損害金
延滞日数 | 延滞金 | 支払い合計額 |
---|---|---|
1日 | 120円 | 300,120円 |
10日 | 1,200円 | 301,200円 |
15日 | 1,800円 | 301,800円 |
30日 | 3,600円 | 303,600円 |
60日 | 7,200円 | 307,200円 |
残高が足りずクレジットカードの支払い日を超えてしまったときには、遅延損害金がかかります。
遅延損害金には2種類あり、お買い物などでの利用が対象のショッピング枠とクレジットカードを使ってのキャッシング枠です。クレジットカード会社によって多少利率が異なりますが、ショッピング枠で14.6%、キャッシング枠で20%程度が一般的です。
上の表からもわかるように、数カ月以上滞納しない限り延滞金自体はそこまで高額にはなりません。
しかし、支払いを延滞することは信用情報に傷がつく可能性があるので注意が必要です。カード会社よっては30日程度延滞すると信用情報に傷がつき、最低5年間はクレジットカードが利用できなくなることもあります。
クレジットカードでのキャッシング
キャッシング金額 | 一括払いの手数料 | リボ払いの手数料 | リボ払いの支払い回数 |
---|---|---|---|
100,000円 | 1,479円 | 3,252円 | 4回 |
200,000円 | 2,958円 | 11,388円 | 7回 |
300,000円 | 4,438円 | 24,406円 | 10回 |
400,000円 | 5,917円 | 42,452円 | 14回 |
500,000円 | 7,397円 | 65,383円 | 17回 |
クレジットカードでのキャッシングは、手数料がかかります。
キャッシングとは、クレジットカードを利用して現金を引き出せるサービスです。
追加の審査なしで手軽に現金を引き出せるので便利ですが、返済するときに年利15~18%程度の手数料を上乗せした金額を支払う必要があります。この利率は消費者金融並みなので、ご注意ください。
また、返済方法が一括かリボ払いかを選べますが、上の表からもわかるようにリボ払いにするとさらに手数料が上乗せされてしまいます。
【カード利用者側】海外利用でのクレジットカードの手数料で気を付けたい3つのポイントを解説!
クレジットカードは国内での利用はもちろん、海外での利用にもとても便利です。高額の現金を持ち歩く必要がなく、ポイントも貯まります。
しかし、海外でのクレジットカード決済には国内で利用するときにはかからない手数料が発生します。
海外でクレジットカードを利用する前に、手数料がいくらくらいかかるのかを確認しておきましょう!
海外のクレジットカード利用には事務手数料が必ず発生する
海外でクレジットカードを利用すると、事務手数料が必ずかかります。これはクレジットカード会社が日本円から現地の通貨へ換算するときなどにかかる手数料です。
クレジットカードの利用者が実際に支払う金額は、
で計算され、請求されます。
為替レートは、VISAやJCBなどの国際ブランドが毎日基準レートを決定しています。請求金額の計算までにタイムラグがあるため、クレジットカードの利用日のレートとは異なるのでご注意ください。
例えば、事務手数料1.60%のカードで、為替レート1ドル=105円のとき、100ドルのショッピングをした場合、
となります。
日本円を外貨へ両替するときにも手数料はかかるので、クレジットカード決済で事務手数料がかかってもポイントがつくことを考えると、お得になる場合が多いのでおすすめです。
カード会社ごとで海外利用の事務手数料が異なる
クレジットカードの海外利用の事務手数料は、カード会社によって異なります。
ほとんどのクレジットカードで1.60%~2.20%の手数料となっています。詳しい各カードごとの手数料は、「カード会社によっては国際ブランドごとに手数料が異なる場合もある」で紹介していますので参考にしてみてください。
例えば、100ドルのショッピングを105円の為替レートでした場合、
100ドル×105円×1.016%=10,668円
海外事務手数料が2.20%なら
100ドル×105円×1.022%=10,731円
10,731円-10,668円=差額63円となります。
少額であれば大きな差は出ませんが、ショッピング金額が上がるほど差額も大きくなるので、お持ちのクレジットカードの海外事務手数料を確認しておくと安心です。
カード会社によっては国際ブランドごとに手数料が異なる場合もある
カード名 | VISA | Mastercard | JCB | American Express |
---|---|---|---|---|
楽天カード | 1.63% | 1.63% | 1.60% | 2.00% |
三井住友カード | 2.20% | 2.20% | – | – |
セゾンカード | 2.20% | 2.20% | 2.15% | 2.00% |
JCBカード | – | – | 1.60% | – |
オリコカード | 2.20% | 2.20% | 1.60% | – |
イオンカード | 1.60% | 1.60% | 1.60% | – |
dカード | 2.20% | 2.20% | – | – |
セディナカード | 2.20% | 2.20% | 2.20% | – |
ビューカード | 2.20% | 2.20% | 1.60% | – |
クレジットカードの海外利用の事務手数料は、同じカード会社でも国際ブランドで異なることがあります。
上の表からもわかるように、JCBが安くVISA やMasterCard、アメリカンエキスプレスが高く設定されているカード会社が多いです。
しかし、海外の国際ブランドのシェアは、
- Visa 約56%
- MasterCard 約26%
- JCB 約1%
- アメリカンエキスプレス 約3%
となっており、国内では高いシェアを誇るJCBも海外シェアはかなり少なくなっています。
そのため、手数料が安いからとJCB のカードだけを海外に持っていくと、お店で使えない可能性があるので注意が必要です。
【加盟店舗側】クレジットカードの決済手数料の料率や注意点まとめ!
ここでは、加盟店側のクレジットカードの決済手数料について解説します。
お店にクレジットカード決済サービスを導入するには、カード会社への手数料を支払わなければなりません。
その手数料の利率や注意点、クレジットカード決済を導入するメリットについてしっかり確認しておきましょう!
決済手数料は業種によって異なる
加盟店の業種 | 手数料率の相場 |
---|---|
コンビニ、家電量販店など | 1~1.5% |
百貨店、デパートなど | 2~3% |
専門店、小売店など | 3~5% |
飲食店など | 4~7% |
クレジットカード決済の手数料は、導入する業種によって異なります。
経営の基盤が大きく決済回数の多いコンビニや家電量販店、決済金額の大きい百貨店やデパートなどは、クレジットカードの決済手数料率が低い傾向にあります。
逆に、個人経営の小売店や飲食店などは経営が不安定で手数料の未回収のリスクが高いため、手数料率も高くなりがちです。
また、加盟店の手数料率は、クレジットカード会社と加盟店との個別契約となるため、同じ業種であっても一律の手数料とはなりません。
決済手数料を節約するためには、複数のクレジットカード会社や決済代行会社から見積もりを取り寄せ、比較するのがおすすめです。手数料の相場を知った上で交渉しましょう。
クレジットカードの手数料を上乗せするのは契約違反
クレジットカード決済にかかる手数料を商品やサービスに上乗せするのは契約違反になります。
クレジットカード決済は導入していると手数料がかかってしまうので、その分の金額を商品やサービスに上乗せしたくなるかもしれません。しかし、上乗せしてしまうと現金で支払う消費者との差が生まれてしまい、ほとんどのクレジットカード会社との契約違反となります。
契約違反となってしまうとクレジットカード決済を使えなくなる可能性があるのでご注意ください。
手数料がかかってもクレジットカード決済を導入するメリットまとめ
- 顧客数が増加する
- 高額商品が販売しやすく、客単価が高くなりやすい
- 現金のやり取りがなくなるので、業務の負担が減る
手数料がかかってもクレジットカード決済を導入すると、このようなメリットがあります。
「現金を持ち歩いていない」、「ポイントを貯めたい」などの理由で、クレジットカード決済ができるお店を選んで利用している顧客を取り逃がすことがなくなり、顧客数が増加しやすいです。
また、クレジットカード決済できれば財布の中の現金以上の買い物ができ、分割払いやリボ払いなどで高額商品も販売しやすくなります。そのため、現金の消費者よりも客単価が高くなりやすいです。
さらに、現金のやりとりでは釣銭の受け渡しや精算業務の手間が発生します。クレジットカード決済なら暗証番号の入力やサインをしてもらうだけで完結するので、業務の負担が減ります。
個人経営のお店だと少し高めの3~7%という手数料がかかってしまいますが、これらのメリットをふまえて導入を検討するといいですね。
クレジットカードの手数料まとめ
- 1回払い、2回払い、ボーナス払いでは手数料はかからない
- 3回以上の分割、リボ払い、キャッシングでは手数料がかかる
- クレジットカードを海外で利用すると必ず事務手数料がかかる
- 海外事務手数料はクレジットカード会社や国際ブランドによって異なる
- クレジットカードの加盟店は決済手数料が必ずかかる
- 決済手数料がかかってもクレジットカード決済を導入するメリットは多い
この記事では、クレジットカードの手数料について解説しました。
利用者側と加盟店側でかかる手数料が異なることがわかりましたね。
利用者側は手数料のかからない1回払いや2回払い、ボーナス払いをメインに、分割払いやリボ払い、キャッシングを上手く利用することでクレジットカードの手数料を抑えられます。
また、海外でクレジットカードを利用するときには、前もってクレジットカードの海外事務手数料を確認しておき、決済のたびに事務手数料がかかることを覚えておきましょう。
加盟店側はクレジットカード決済を導入すると手数料がかかってしまいますが、「クレジットカード決済ができる」ということはメリットも多くあるので、両面を見て検討されるといいですね。
クレジットカードの手数料を理解して上手に日々の生活に取り入れていきましょう!